「弾道弾迎撃ミサイル制限条約」(「ABM制限条約」)はグローバル戦略の均衡と安定の維持、核軍縮の推進、国際安全の促進にとって重要な役割を果たしている。しかしながら、近年アメリカは「ABM制限条約」の関係規定および国際社会の反対を顧みず、NMDシステムの開発に拍車をかけている。アメリカのこの行動はグローバル戦略の均衡を乱し、核軍縮プロセスおよび国際社会の不拡散努力をゆゆしく阻害し、世界平和と地域安定を脅かし、ひいては新しい軍備競争を引き起こすことになる。中国はこれに対し強く反対する。
第54回国連総会は中国、ロシア、ベラルーシの共同で提案した「ABM制限条約」擁護と順守についての決議案を圧倒的多数で可決し、条約締約国に国の全土保護を目的とするミサイル迎撃システムを配備しないよう呼びかけ、国際社会が一層努力して条約の不可侵性と完全性を守ることを支持している。決議は、アメリカのミサイル迎撃システムの開発と配備に反対し、「ABM制限条約」を擁護する国際社会の意志を具現している。2000年7月18日、中国とロシア両国の首脳は北京で「ABM問題に関する共同声明」に調印し、声明のなかで、「ABM制限条約」は依然としてグローバル戦略の安定および国際安全保障の土台であり、攻撃的戦略兵器を削減、制限し、大規模破壊兵器の拡散を防止するためのかぎとなる国際的取り決めの枠組みの基礎であると強調した。一部の国がいわゆるミサイルによる脅威を口実に「ABM制限条約」の条文を修正するよう求めるのは、全く通用しないものである。「ABM制限条約」の条文を修正するのはこの条約を破壊するもので、必ず一連のマイナス結果を招くことになる。この条約の修正を主張する国はこれに対しすべての責任を負わなければならない。当面の戦略情勢のもとで、「ABM制限条約」の完全性と有効性を擁護することは、非常に重要な現実的意義を持っている。アメリカ政府は真剣に国際社会の声に耳を傾け、グローバル戦略の安定を破壊するミサイル迎撃システムの開発と配備を中止しなければならない。
アメリカと日本は戦域ミサイル防衛システム(TMD)を共同で研究開発し、東アジア地域に配備することを計画しているが、それは米日軍事同盟の攻防全般のレベルを空前なところまで引き上げるばかりでなく、日本の防衛の必要をはるかに超えている。これは地域における軍備競争を引き起こすことになり、アジア太平洋地域の安全と安定にとって不利である。中国はこれに対し重大な関心を寄せている。
中国は、いかなる国も台湾にTMDシステム、部品、技術またはその援助を提供することに断固反対し、いかなる国がどのような方式にせよ、台湾をそのTMDシステムに組み入れることにも断固反対する。