| アジア調査会における王毅大使の講演 |
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| 2006/05/09 |
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アジアの将来および日中両国の役割
ご紹介いただきました中国大使の王毅と申します。本日、アジア調査会の皆さんにお話をすることができまして、大変光栄に存じます。
アジア調査会の会長でいらっしゃる松永先生は、私の忘年の友といいますが、私が、常から尊敬を申し上げております友人であります。約30年前のことですが、当時私は外交部に入って間もなく,日本課の副課長をしていた時、会長ご夫婦が中国を訪問されて、私は幸いに最後までお供をさせていただき、まさに東洋人の教養と西洋の風格が渾然とした、エレガンスの溢れている典型的な外交官ではないかと思ったことがあります。
それ以来お付き合いをいただいておりますが、最近、会長が私のところにおいでになりまして、ぜひアジア調査会で話をしてくれというご指示があったものですから、私は後輩としてそれに従わなければならないというわけで、今日、ここに足を運んだわけです。
今日のテーマは、アジアの将来と日中両国の役割です。私は、アジア調査会でスピーチをするのですから、やはりアジアに関することがふさわしいのではないかと思っていました。また、時間があれば、時々「アジア時報」を読んでいます。大変深い議論を展開されていますので,大きな参考にもなっています。
日本も中国もアジアの重要なメンバーです。ですから、日本も中国もアジアのことを常に考える必要があると思っています。特に冷戦が終わってから、アジアは再び世界的に注目の的となっており、世界的な話題にもなっています。こういう時こそアジア調査会の皆さんが、アジアの平和と発展のためにさらなる貢献をされることを、隣の国の大使として心から期待しております。
今日は、せっかくのチャンスですから、アジアについて三つの問題提起をさせていただきたいと思っています。
アジア主義の挫折、戦前と戦後
最初の問題提起は、新しいアジア主義を模索していくことです。実は、100年前にもアジア主義の議論がありました。当時、日本のエリート達の間で真っ先に“日中連携”とか“アジア連合”といったアジア主義の議論が行われたわけです。その前後に、中国の孫文先生をはじめ、あるいはインドのガンジーさんもアジア主義の議論に加わり、彼らなりのアジア主義の見方を展開したこともあります。
ただし、当時のアジア主義は、西側列強の圧迫、そしてアジアへの侵入に対する反発という特徴があったと思います。もちろんその中に、アジアの位置付け、アジアの運命、アジアの将来についても深刻な、積極的な思考もあったし、同時に、排他的なものも入っていました。
当時のアジア主義の議論によって、日本においても中国においても、あるいはほかのアジアの国においてもいろいろな組織、そして人物が生まれました。しかし、そのアジア主義は、最後まで順調に進めなくて、頓挫しました。
頓挫した背景、原因は多岐にわたっておりますが、私なりに簡単にまとめますと、一つは、当時のアジアは弱かった。特に、アジアの最大の国である中国が、歴史において一番困難な時期に入っていたわけです。世界の力のバランスの中でアジアは弱いほうにありましたから、アジア主義を支える物質的な基盤或いは経済的な力が欠けていたわけです。これは一つの大きな背景ではないかと思います。
二つ目の背景は、当時のアジア主義の提唱がやや拙速なものだった。要するに、先進的な理論に導かれていなかったと言うことです。そして、その実行可能性も薄いものであったと思います。さらに、当時のアジア各国の権力者、とりわけアジア各国の民衆の共鳴を呼んでいなかったわけです。そして、アジア主義という旗印の下で、各種偏狭な民族主義も混在していたこともありました。
三つ目は、真っ先に西側列強の支配から抜け出して、最初に工業文明を始めた日本という国の国策の選択に問題が発生しました。最初は「脱亜入欧」というスローガンを打ち出して、自らアジアのアイデンティティから脱出しています。そして、その後は西側列強と組みまして、同じく強権を持ってアジアの国々に向き合ったわけです。もちろん、最後は戦争の道にも走り、アジアの民衆に多大な苦難を与え、日本の国民も大きな被害を受けました。結局、当時のアジア主義は、最後にはアジア主義の反対の方向に走っていったわけです。
第二次大戦が終わってから、アジアの国々が相前後して独立を果たして、アジア主義が再び芽を吹いたわけです。例えば、50年代の有名なアジア·アフリカ会議でできた「バンドン十原則」、あるいは、日本において70年代の末ごろ、当時の福田首相が唱えた「福田ドクトリン」も大変な共鳴を受けたこともあります。80年代に入りますと、大平総理の「環太平洋経済圏」構想、あるいはその後の竹下総理の「東アジア経済圏」といったものがありました。
しかしながら、当時は冷戦の時代でした。冷戦の影に覆われて、アジアの国々は対峙する二大陣営に分裂していました。アジア主義を提唱していくまとまった地政的な概念さえも欠けていたわけです。そして、アジアの国々が政治的に独立を果たされていましたが、経済的にはまだまだ自立するところまで行っていませんでした。
冷戦後アジアに三つの大きな変化
冷戦が終わってから今日まで、我々の置かれているアジアには大きな変化がありました。一つは、アジアの国々の間の関係が著しく改善されました。中国の例を挙げてみると、冷戦が終わってから中国はロシアとの関係を改善し,回復した。インドとの関係、ベトナムとの関係、あるいは韓国との関係、いずれも改善し、正常化してきました。
二つ目の大きな変化は、アジアの経済が大きな発展を遂げています。日本は最初に成功をおさめました。それに次いて韓国、シンガポール,香港地域などが大きな成果を収めたわけです。その後、ASEAN、今は中国、インドというふうに、アジア全体が成長しています。
今のアジア全体のGDPは、世界の4分の1に達しています。貿易は世界の3分の1、インターネットの使用数は世界の4分の1、そして、外貨準備高は世界の3分の2以上です。アジアという地域は最も潜在力のある地域として、国際社会から認められています。
三つ目の変化は、地域協力の発展です。アジアにおける地域協力は、スタートが遅かったもののスピードが速く、勢いが強い。特にその中の東アジア協力、いわゆるASEAN10+3の協力は最も順調に進んでいます。この十何年間の10+3によって、今、東アジア協力は17の分野に広がり、48の協力のメカニズムが作られています。その中に、大臣クラスだけでも14あります。そして、協力のプロジェクトは100以上にも達しており、そのうち半分以上が既に完成されています。
アジア全体を見ると、いわゆるパンアジア協力もスタートしています。政府間のACD(アジア協力対話)の会議は何回も繰り返されています。ボアオ·アジアフォーラムも知的な面でパンアジアの協力を支えています。
今は、10+3のプロジェクトの一つとして、中国が提言して東アジアFTAを研究しています。これは、ASEAN全体と日·中·韓を視野に入れています。
そして、最近のニュースですが、10+3の財務大臣の会合によって、これからアジアの貨幣単位を研究していくという合意がにも達しています。このように、一種の集団的なアジア意識がだんだんと生まれてきています。私は、この集団的なアジア意識こそ、21世紀の新しいアジア主義の前触れではないかと考えています。
21世紀のアジアが持つべき三つの特徴
それでは、21世紀の新しいアジア主義はどういう内容で、どういう特徴を持つべきか。それは、大きな課題ですが、それぞれ皆さんがお考えをお持ちになっていると思います。私なりの見方をお話しすると、三つの特徴があるべきではないかと思います。
一つ目は、協力的な新しいアジア主義です。協力は、アジア主義を推進するに当たって最も重要な理念だと思います。協力を通じてこの地域の平和を守り、協力を通じてこの地域の発展を促し、そして、協力を通じてこの地域の問題を解決していく。ですから、新しいアジア主義はまず協力的なアジア主義でなければならないと思います。
そして、協力的なアジア主義は、一人勝ちのアジア主義ではなく,ともに繁栄していくアジア主義でなければなりません。アジアには、大変豊かな国もありますし、極めて貧しい国もあります。国と国の間に激しいアンバランスがあります。一人当たりのGDPには100倍の差も存在しています。このような極めてアンバランスな状況を協力的なアジア主義を通じて緩和し、解決していくことです。
そしてもう一つは、協力的なアジア主義は経済の分野から始まっていく。アジアの国々はいろいろなタイプがあり、関心事がそれぞれ違います。ですから、新しいアジア主義を推進するには、皆さんがともに関心を持つとことから始める必要があります。ともに関心を持つことは、まさに経済の発展です。そこから新しいアジア主義を進めていく。そして、経済協力を深めることによって相互依存関係を作り、信頼関係を醸成して,政治、安全面の協力のほうにもシフトして、全面的なアジア協力になっていきます。
関連して、協力的なアジア主義のあり方は、やはり東アジア協力を一つのメイン·ルートにしていく。東アジア協力を主な牽引力として、徐々にその範囲を広げていく。
二つ目の新しいアジア主義の特徴は、開放的なアジア主義でなければなりません。開かれたものであり、排他的なもの、保守的なものではなく、特定の国に向けられるものでもありません。この開放的なアジア主義は、域内の国々の間ではお互いに開放していき、同時に、域外の国々に対しても開放していきます。
印·豪·NZ参加は開放的アジア主義の表れ
今のアジアにおいて、いろいろな協力メカニズムが存在しています。10+3もありますし、APEC(アジア太平洋経済協力会議)もありますし、ASEM(アジア欧州会合)もあります。ARF(ASEAN地域フォーラム)もあります。それぞれの地理的な範囲とやり方がありますが、それはそれで結構です。お互いに補っていく。おたがいに協調していく。そして、ともにアジアの繁栄と発展に寄与していくことです。
去年の末に開かれた最初の「東アジアサミット」に、インド、オーストラリア、ニュージーランドの三つの国が参加されました。それはまさに開放的なアジア主義の一つの実行の例ではないかと思っています。
域外の国との協力でまず我々の頭に浮かんでくるのは、アメリカとのお付き合いです。アジアにおいて、アメリカの伝統的な影響と現実的な利益が存在しています。これは歴史から形成されたもので、客観的な事実でもあります。ですから、アジアの協力の推し進めるに当たって、開かれたアジア主義を持って、アメリカとの間でよく意思疎通をしながら、相互理解を深める必要があります。そして、アメリカがアジアの平和と発展のために積極的な役割を果たされることを、中国を含めたアジア全体は歓迎しています。
アメリカも既にアジアの若干のメカニズムに参加しています。そして,既存の両国間のメカニズムと近年生まれてくる多国間のメカニズムがありますが、お互いに矛盾し合うものではありません。お互いに共存し合い,包容し合い、そして補っていく、それはが開かれたアジア会議の姿ではないかと思います。
三つ目の新しいアジア主義の特徴は、調和のとれたアジア主義です。アジアの一番大きな特徴は、東洋文明という大きな枠組みの中に多様な存在を見られると言うことです。実は、世界の三大宗教はいずれもアジアの地域から生まれたわけです。東洋文化の一つの神髄といいますか、「和して同せず」という言葉があります。これは中国の古い言葉ですが、大変深い内容が含まれています。また、「万物並び行くして相害せず、道並行して相悖らず」という言葉があります。つもり、大自然の中の万物がともに成長して、お互いに害し合うことをしない、そして、いろいろな道があるけれども、みんな並行してお互いにをそむき合うことはしない、これはまさに、「和して同せず」の意味ではないかと思います。
多様性はアジア協力の原動力
多様性はアジアの特徴です。そして、これからも続けられると思います。多様性は、アジア協力の障害ではありません。むしろアジア協力の原動力にもなります。そして、新しいアジアを創造していく源にもなるのではないかと思います。ですから、調和の取れたアジア主義は、アジアの多様性を尊重しながら、その優位性を生かしていく。そして、多様なアジアの発展を図っていくということです。異なる宗教、文化あるいは価値観ともに平和共存して、それを踏まえて調和的なアジアを構築していきます。
以上、一つ目の問題提起をさせていただきました。
二つ目の問題提起は、日中間において新たな共通利益を確立していくことです。34年前に日本と中国が手を結んで、国交正常化を実現されました。しかし、当時の中国は今の中国と相当違います。まだプロ文革(プロレタリア文化大革命)のさなかでした。なぜ当時の日本は中国に手を差し伸べたのですか。もちろん民間の力が大きく働いたわけです。しかし、忘れていけないのは、当時、日本と中国の間に大きな共通利益があったわけです。その共通利益が何かと言うと、ともに北からの脅威を切に感じたわけです。そして、日本と中国が再び手を結んだわけです。
共通利益というものは、国と国とが結びつく一番強い絆です。そして、国と国との間の問題の解決に対しても大きな原動力にまります。
冷戦が終わって、北からの脅威をほとんど感じなくなっています。そうすると、21世紀は入った今の日本と中国の共通利益はたくさんあります。ただし、本当に両国の国民レベルのコンセンサスになっていくものは、いまだに完全に確立されていないのが現状ではないかと思います。
アジアの新興は日中両国の共通利益
私は、21世紀の日本と中国の大変重要な共通利益としては、ともにアジアを振興していくことがあげられると思います。今の日本と中国のGDPを合わせると、東アジアの8割以上です。人口も7割、そして貿易は6割以上です。ですから、日本と中国の関係ははるかに二国間関係を超えて、東アジアの将来、ひいてはアジア全体の見通しに対して大変重要な要素ともなっています。
私は、日本と中国が協力し、そしてほかの国と手を携えて、アジアの振興を図ることで、21世紀の両国の新たな共通利益にしていくというコンセンサスを作っていく必要があると思う。
そのために何をすべきか。私は、一つ目は、日本も中国もともに平和発展の道を堅持していくことだと思います。日本は第二次大戦以後、平和発展の道を選びました。そして、大きな成功をおさめたわけです。日本の国民に大きな利益をもたらしただけではなく、世界において、特にアジアにおいて日本の新しいイメージを作り上げました。そして、アジアの国々、世界の国々のほうからも歓迎され、称賛されています。
中国はどうかというと、中国の今の国策としては、平和発展の道を徹していきます。中国の社会主義は、もちろん、社会主義の基本を堅持いたしますが教科書的な社会主義ではありません。旧ソ連式の社会主義でもないです。いわゆる中国の特色ある社会主義を我々は推進しています。
中国の特色ある社会主義というのは、一つは、中国自身の国情、そして中国自身の発展段階にふさわしいこと。二つ目は、絶対多数の中国の国民から支持され、歓迎されること。三つ目は、歴史の流れに従うこと。これが中国の社会主義の特徴だと思います。ですから、中国の発展は、一つ目は歴史の進む方向と一致していきます。二つ目は、世界各国の国民の利益と一致していきます。三つ目は、アジア全体の発展と一致していきます。一言で言うと、中国がこれからも平和発展の道を徹していきます。
二つ目に、アジアを振興していくに当たって、日本と中国はそれぞれの役割があって、おたがいに補い合っていくことです。今、いろいろな学者が研究されていますが、アジアの歴史において初めて二つの強国、二つの大きな力が同時に並列している。そうすると、お互いに衝突し合い、摩擦し合い、対抗し合って、両立できないと言う人もいます。私は、そういう立場をとりません。むしろ、ウイン・ウインの方向にもっていけるのではないかと思います。
アジアのことにおいては、中日両国が協力の要素が競争よりもはるかに多い。共通利益のほうが、食い違いよりもはるかにあります。日本がこれからもアジアにおいて技術、資金、そして産業移転の主力となり、中国はアジアにおいてマーケット、労働力、そして産業育成の受け皿という優位性を持ち続けます。ですから、日本と中国にはそれぞれの分担があって、それぞれの役割があります。そして、“二つの機関車”としてアジア全体の発展を引っ張っていけるのではないかと思います。今、新たな経済的な循環が、日本と中国の努力によって形成されつつあります。
中国は日本と主導権争わない
東アジア協力に関しては、日本と中国が主導権を争っているのではないかという議論もありますが、私はそうではないと思います。東アジア協力のプロセスを見てみると、ASEANがずっと主導的な役割を果たされました。中国としては、ASEANの役割を尊重し、支持します。ASEANの主導的な役割を支持するということは、まさに現実的な選択で、いいかえれば賢い選択かもしれません。これが中国の政策です。アジアのリーダーになるつもりはありません。ですから、日本と主導権を争うという前提も存在しません。
中国としては、日本が東アジア協力、アジアの一体化のためにもっと積極的、そして、重要な役割を果たされることを歓迎します。むしろ、我々は望んでいます。そして、中国と日本が協力してASEANを支持して、アジアの協力を推し進めていくことです。
アジアを振興していくことを日本と中国の新たな共通利益にしていきたいと申しました。ところが、これは日本と中国それぞれの全部の利益でもないのです。日本で言うと、日米同盟という重要な利益も存在しています。中国もそれぞれの隣国との強い絆を重視しています。ですから、アジア振興という共通利益を持つことは、お互いの外交のスタンスに影響しないと思います。
過半数が日中の関係改善を希望
三つ目の問題提起は、日中関係の悪循環から脱却して、良性循環、良い循環にシフトしていくことです。一カ月前の日本外務省のアンケート調査によりますと、日本の国民のほぼ8割が、日中関係を改善しようという希望を持っています。日本の言論NPOという組織が去年、中国でアンケート調査をされました。それによると、過半数の中国の民衆も、日本がアメリカに次いで中国にとって重要な国だという認識がありました。日中関係を改善することは、まさに両国の国民が願っていますし、支持もされています。
それでは、日中関係の改善はどこからすればいいのか、確かにいろいろ問題が存在しています。隣国ですから、問題が発生するのは避けられません。そして、つき合いが密接になればなるほど、問題が出やすいのです。また日本の言論NPOによるアンケート調査の例を紹介すると、日中関係に影響する最大の問題は何であるかという質問に対して、中国の普通の民衆の8割、学生の9割以上が、歴史に関する問題だと答えています。そして、この言論NPOの日本でのアンケート調査の結果でも、ほぼ同じような傾向が見られています。
歴史問題善処すれば他の問題解決に寄与
もちろん、歴史に関する問題がなぜ日中関係に影響する主な問題になっているかについては、それぞれの解釈が一致しないところがあると思います。しかしながら、主な問題として存在するという点だけは、お互いに一致を見せています。ですから、どこから日中関係を改善し、両国の国民の強い期待にこたえていくことになるのか。このアンケート調査が一つの参考になるのではないかと思います。
歴史に関する問題が仮に解決しても、ほかの問題がまた出てくる。あるいは、ほかの問題が同時に解決するわけにもいかないという議論もありますけれども、私は、歴史に関する問題を善処すれば、大きな山が越えられると思います。ほかのいろいろな問題の解決にも寄与すると思います。言い換えれば、ほかの問題の解決に有利に働いていく。それによって全体の日中関係も良くなります。私はこれが悪循環から脱却して、良い循環にもっていく方法ではないかと考えています。
中国の胡錦涛国家主席が、一カ月前に北京で日本の友人に会いました。当時彼が、日本に対する重要なメッセージを送られました。そのメッセージのまず一つは、中国政府の日本重視という政策は変わりません、これからも堅持していくということです。二つ目のメッセージは、今は困難にぶつかっているけれども、各分野の民間交流を大いに進めていきたい、お互いの相互理解を深めていきたいということです。そして、三つ目のメッセージは、もしも日本側が、今両国間が抱えている問題の解決を決断すれば、いつでも日本のリーダーと会って、関係改善と発展のことを議論していきたいというものでした。
この三つのメッセージは、一つのまとまった中国政府の意思表示です。そこには、今の問題を解決していこうという中国側の積極的な姿勢が現れているのではないかと思います。まさに良性循環にもっていこうという積極的な意思表示であると考えています。そして、中国側の期待を表明されたものです。
ただし、問題をどのように乗り越えていくかについては、日本自身の問題ですので、最終的には日本が自ら判断していく問題です。
以上、私の三つ目の問題提起で、ぜひ日中関係を良い循環にもっていきたい。そのために、日本各界の皆さんのお力を大いに発揮されることを期待しています。この三つの問題提起についていろいろ批判があるかもしれません。しかし、少しでも皆さんの参考になれば幸いに思います。ご清聴ありがとうございました。
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