トップページ > 中国紹介 > 人口とその構成
中国、刑法改正案可決 胎児性別鑑定の犯罪条項は削除
2006/06/30

 

    第10期全国人民代表大会(全人代)常務委第22回会議で29日表決の結果、刑法改正案(6)が可決された。原案にあった規定に反する胎児性別鑑定を犯罪とするとの条項は各方面の意見が大きく分かれたため改正案から削除された。

 昨年12月、全人代常務委に初めて提出された刑法改正案(6)草案には「国の規定に反して、他人のために医学的に必要のない胎児性別鑑定を行い、性別選択、人工妊娠中絶の結果を招き、情状が重いときには、懲役3年以下、拘留又は管制(監視処分)に処し、罰金を併科する」と規定されていた。

 今会議のグループ審議で、医学的に必要のない胎児性別鑑定を犯罪として刑事責任を追及するかどうかについて、意見が大きく分かれた。

 全人代法律委員会の楊景宇主任委員は「この問題を改めて慎重に検討した結果、原案の規定について今会議で表決する条件がないとの考えに至った」とし、今後の刑法改正でこの問題を解決するため改めて検討することを提案した。

 刑法改正案(6)草案の審議過程で、一部委員や地方と中央の関係官庁は次のような見方を示した。現在の中国の出生性比(新生児の女児100人に対する男児の数)はかなり高く、これを重大視せず、適切な解決をはからなければ、人口構成と社会の安定に影響を与えることになる。医学的に必要のない胎児性別鑑定を刑法によって取り締まることには抑止、防止の効果があり、証拠集めが難しいことを理由に刑事処罰を放棄することはできない。

 また一部委員や地方と中央の関係官庁、司法機関、法律専門家は犯罪とすることに賛成せず、その理由として次の点を挙げた。中国の出生性比が現在、かなり高いのには複雑な社会的原因がある。男尊女卑や「男の子を育て、老後に備える」という伝統的考え方が一部の地方、特に農村に根付いており、意識の問題を刑法によって変えることはできないし、ふさわしくない。妊婦には胎児の性別を知る権利があり、事前に胎児の性別を知る方法は超音波に限らないし、必ず中絶するというものでもない。原案の規定では、医師の犯罪となるか否かは最終的に妊婦が中絶するか否かで決まることになり、情理、法理にかなっていない。

 現在、中国の新生児は「男児が多く、女児が少ない」。比率は女児1に対し、男児1・19で、正常値の1対1・06と比べてかなり偏っている。

(北京6月29日発新華社)

 



[Suggest To A Friend]
       [Print]