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正道を押し通し,時代と共に進んで,中米関係の正しい方向を守ろう--中米シンクタンク・メディア・フォーラムでの王毅国務委員のあいさつ
2020/07/09

 王毅・国務委員は9日、中米シンクタンク・メディア・フォーラムで、「正道を押し通し、時代と共に進んで、中米関係の正しい方向を守ろう」と題してあいさつした。全文次の通り。

 来賓の皆さま、友人の皆さま

 こんにちは

 まず、今回のフォーラム開催に謹んで熱い祝意を送るとともに、長い間中米関係のために尽力されてきた各界の方々に敬意と感謝を表したい。またキッシンジャー博士が今回のフォーラムを支援されたことに感謝する。氏と対話する度に、この世界および中米関係に対する戦略的考察の深さを感じる。

 本日のフォーラムは非常に重要だ。いまこの時、新型コロナウイルスがなお全世界で猛威を振るい、各国人民の生命が著しく脅かされ、世界経済が大不況に陥り、地球規模の協力が強い逆流に遭い、一国主義のいじめ行為が横行し、国際システムが無秩序化のリスクに直面しているからである。

 より警戒すべきは、中米関係という世界で最も重要な二国間関係の一つが、国交樹立以来最も厳しい挑戦〈試練〉に直面していることだ。米国の一部の人はいま、イデオロギー上の偏見から、中国をライバルはては敵に仕立て上げることに全力を上げ、なんとかして中国の発展を抑え込み、手段を選ばず中米間の結びつきを妨げようとしている。次の段階で、中米関係というすでに40年余り航行してきた巨大な船が引き続き正しい航路を維持できるかどうかは、両国人民の利益と密接につながるだけでなく、世界と人類の共通の未来にも関わっている。

 どうすれば中米関係が正常化し、正しい軌道に戻り、長期的で健全な安定した発展が本当に実現するのか。三つの意見を重点的に述べたい。

 まず、中米双方は相手の改造を追求すべきでなく、異なる制度と文明の平和共存の道を模索すべきである。どの国が歩む道もすべて、それぞれの文化的伝統と歴史的蓄積に基づいている。中国が堅持している中国の特色ある社会主義の道は、中国の国情に適っており、中国人民が自ら選んだものである。この道によって14億の中国人民が貧困と後進性から脱け出すだけでなく、中華民族が再び人類の進歩的事業に重要な貢献をしたことを、実践はすでに証明している。国際的民間調査機関の多くの世論調査は、中国の党と政府に対する人民の支持が世界の首位の座を守っていることを示した。いかなる勢力も他の国が選んだ道を否定する資格はなく、いかなる国も他国の好みに合わせて自らの制度を変えることはない。結局のところ、制度と道が正しいか間違っているかは、自国の人民が決定すべきことである。

 近年、中国の道の成功は西側に打撃と脅威を与えるだろうとする論調がある。これは事実ではなく、われわれもそれを認めない。5000年の文明に育まれた中国にはもともと侵略・拡張の遺伝子はなく、われわれは外国のモデルを引き写すことも、中国のモデルを輸出することもなく、他国に中国のやり方をコピーするよう要求したこともないからである。2500年前の中国の聖賢は「万物並(なら)ビ育(やしな)ワレテ相害ワズ。道(みち)並ビ行(おこな)ワレテ相(あい)悖(もと)ラズ」と主張した。これは東洋人の処世哲学であり、今日なお世界に啓示を与えている。米国人民も昔から、平等、包摂、多元をたゆまず追求してきた。この世界は黒か白かであるべきではなく、制度の違いもゼロサムを導くべきではない。中国はもう一つの米国にならないし、それはできることでもない。正しい態度はお互いに尊重しあい、鑑賞しあい、参考にしあい、成果としあうことだ。改革・開放以降、中国は先進国から多くの有益な経験を学んだ。同様に、中国の成功例も、多くの国が当面の問題を解決する助けになっている。この多彩な世界で、中米は社会制度は違うが、並行させても矛盾せず、平和的に共存することが完全に可能である。

 第二、中国の対米政策は変わっておらず、われわれはなお善意と誠意にのっとった中米関係の発展を願っている。

 中国が発展するにつれて、一部の米国の友人は中国にますます多くの疑念さらに警戒を抱くようになった。ここで重ねて表明したい。中国は米国に挑戦しまたは取って代わるつもりはなく、米国と全面対決するつもりもない。われわれに最も関心があるのは、自国人民の福祉向上であり、最も重視するのは中華民族の復興であり、最も期待するのは世界の平和・安定である。従って、中国の対米政策は高い安定性と連続性を維持しており、米国との非衝突・非対決、相互尊重、協力・ウインウイン、および協調・協力・安定を基調にした中米関係の構築を願っている。

 そしてこの目標を実現するには、中米双方が同じ方向へ進む必要があり、それぞれ国際法と国際ルールを尊重する必要があり、平等な対話・話し合いを進める必要がある。米国は、全世界でほとんど狂気のように中国を追い込み食い止め、まったく歯止めなくデマを流し中国を中傷し、なにはばかりなく中国の内政に干渉する一方で、中国に二国間や世界的問題で米国を理解し支持するよう要求できる、と考えてはならない。独立自主の国として、われわれには自身の主権、安全保障と発展の利益を守る権利があり、中国人民が刻苦奮闘によって得た勤労の成果を守る権利があり、中国に対するいかなるいじめや不公正をも拒否する権利がある。

 第三、中米関係発展の歴史的経験を正しく取り扱い、あくまでも対話と協力の道を歩むようにすべきだ。

 このところ、米国の国内で、過去数十年の対中関与政策は失敗だった、米国は中国と協力して損をしたという人がいる。これは歴史を尊重しておらず、事実にも合致しない。

 中米両国は第二次大戦中、かつて肩を並べて戦う盟友だった。1970年代、双方はお互いの制度の違いを認めたうえで改めて国交樹立の扉を開いた。両国の対話・協力が今日まで来たのは、数世代の人々の政治的英知とたゆまぬ努力の結晶であり、両国関係発展の内在的法則と必然的趨勢の反映でもある。

 国交樹立後40年間、中米は相互補完の強みを十分に生かして、相互に溶け合う利益共同体をすでに形成している。中国の成功は米国を含む世界各国の開放・協力のおかげで、一方中国の発展も米国に持続的成長の原動力と巨大な市場空間を提供した。地域の紛争問題処理から対テロ、不拡散まで、世界的金融危機対応から疾病の予防・制御まで、中米協力はすでに双方に役立ち世界に役立つ多くの重要な仕事をなしとげている。

 中米関係は以前には戻れないという人もいるが、だからといって歴史を無視しまったく別の事をやってもよいわけではない。まして現実を顧みないで、無理に切り離してよいわけではない。やはり過去から未来へ引き継ぎ、時代と共に進むべきである。皆さんは、たとえ目下の感染症の衝撃下であっても、74%の在中米国企業がなお対中投資を拡大する計画だと表明、191の農業団体が連名で米大統領に通商貿易協議の第1段階合意を引き続き実行するよう呼びかけ、米国の複数の大学が中米教育交流の強化を支持し、また多くの国の指導者が中米の意思疎通・対話強化と対決・分裂回避を呼びかけたことに留意しているかもしれない。これらはすべて中米双方が耳を傾けるべき声であり、それ以上に両国の共同の努力の方向である。

 友人の皆さん

 習近平主席は何度もこう強調している。われわれには中米関係をよくする千の理由はあっても、中米関係を壊す一つの理由もない。双方に中米関係改善の積極的意思があるかぎり、われわれは中米関係を苦境から脱けださせ、正しい軌道に戻すことができる、と。ここで三つの提案を行って、皆さんの参考に供したい。

 第一はすべての対話ルートを活発にし、オープンにすること。目下、米国の対中政策は事実の根拠に欠ける戦略的誤判断に基づき、感情的な鬱憤晴らしとマッカーシー流の偏執に満ち満ちている。中国に対する猜疑はすでに杯中の蛇影、草木皆敵兵〈共に疑心暗鬼のたとえ〉の段階に達している。中国の投資にはすべて政治的目的があり、留学生はすべてスパイの任務を帯び、協力提案にはすべてなにか魂胆があるかのようだ。米国がこのように自信と開放性、包摂性をもたず、さまざまな「中国の脅威」を人為的に作り上げるならば、最後には「自己実現的予言」を招く可能性が高い。

 交流をしてこそウソを阻止でき、対話をしてこそ誤判断を回避できる。他人の顔に泥を塗っても己の潔白は証明できず、ひたすら非難しても問題は何も解決されない。中国の対話の扉が大きく開かれていることを再確認したい。米国にその意思があるならば、われわれはいつでも各レベル、各分野の対話メカニズムを再開し、再スタートさせることができる。どんな問題をテーブルに乗せてもよく、どんな意見の相違でも対話を通じて適切な処理を求めてよい。同時にまた、米国が制限を設けないかぎり、両国の各省庁、各地方、各分野の交流・インタラクションを積極的に図り、両国人民が一層相互に理解し、お互いを知るようにしたい。

 第二は往来のリストを整理し、話し合って決めること。中米間のさまざまな問題は互いに混じりあい、複雑にからみあっており、双方で一緒に問題を整理して、三つのリストにまとめてもよい。一番目は協力リストで、中米が二国間分野や地球規模の問題で協力する必要がありしかも協力できる事項を明確にし、この表を一層完全にし、しかも他の問題によって妨げられないようにする。二番目は対話リストで、意見の相違があるが対話によって解決をはかる見通しのある問題をリストアップして、早急に既存の対話メカニズムやプラットフォームに入れる。三番目は管理リストで、一致するのが難しい難題を洗い出し、小異を残して大同につく精神で棚上げし、しっかり管理して、可能なかぎり両国関係の打撃と破壊を減らすようにする。この三つのリストについて、両国のシンクタンクでまず検討してもよいだろう。

 第三は感染対策に焦点を当て、協力を繰り広げること。命より尊いものはなく、人を救うことより緊急なことはない。われわれは米国人民が感染症で不幸に見舞われていることに深く同情し、すでに米国に緊急に必要な膨大な数の医療物資を提供した。感染症の前では、協力が最優先だ。われわれとしては、米国と予防・抑制情報と感染対策の経験を分かち合い、診療プラン、ワクチン開発さらには経済回復などの分野で一層幅広く奥深い交流を進めたい。一方米国は感染の政治化、ウイルスのレッテル化を直ちに止めるとともに、中国と共に全世界的感染対策協力を推進し、共同でこの世界のもっと多くの命を救い、二つの主要な大国が引き受けるべき国際的責任を共同で担うべきである。

 友人の皆さん

 中国に、「之ヲ行イテ力(つと)ムレバ則チ知 愈(いよいよ)進ミ、之ヲ知リテ深ムレバ則チ行 愈達ス」〈注〉という古い言葉がある。世界でも極めて重要な二国間関係である中米関係はより多くの前向きの情報を発信し、より多くのプラスエネルギーを放出することが待たれている。米国がより客観的で冷静な対中認識を築き、より理性的実務的な対中政策を定めるよう希望する。それは中米両国人民の根本的利益に適うとともに、世界各国の中米双方への期待にも沿う。

 どうもありがとうございました。

 注 掘り下げて実践するほど、知識はたえず増え、認識はたえず研ぎすまされる。より深い認識があってこそ、実践にはより方向感覚が生まれるという意味。宋代の理学家張栻の「論語解・序」より。