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律桂軍総領事:改革開放のなかで回復を続ける中国経済,新たなチャンス迎えた中日経済・貿易協力
2021/09/08

    9月7日,8日,律桂軍総領事が「改革開放のなかで回復を続ける中国経済、新たなチャンス迎えた中日経済・貿易協力」と題して,経済誌「I・B」に寄稿した.全文は次の通り.

    今年上半期GDP、12.7%成長

    今年は中国の第14次5カ年計画(「14・5」計画2021-25年)のスタートの年で、中国経済は安定した回復を続けており、上半期の経済成長率は前年同期比12.7%増と安定のなかで上向きのプラス基調を示した。それは主に次の諸点に現れている。

    (1)経済の回復が続いている。昨年第1四半期、中国経済は感染症の打撃を受けていたが、今年は前年同期比18.3%と大幅に伸び、第2四半期は同7.9%に鈍化したものの、2年平均の伸びは5.5%で、第1四半期の2年平均の伸び率5%を上回った。

    (2)内需がメインエンジンの役割をはたしている。上半期、投資・消費ともに安定した回復ぶりを保った。うち消費財小売総額は前年同期比23%増で、2年平均では同4.4%の伸びとなった。最終消費支出の経済成長寄与率は61.7%に達した。全国の固定資産投資(農家を含まず)は前年同期比12.6%増で、2年平均では4.4%の伸びとなった。

    (3)貿易が大幅に伸びている。感染予防・抑制と経済社会発展を一体的にとらえる成果が定着して、輸出入が安定しつつ上向き、再び好成績を上げた。通関統計によると、上半期の貿易総額は18兆700億元で、昨年同期比で27.1%伸びた。新型コロナウイルス感染前の2019年同期と比べると、総額、輸出、輸入がそれぞれ22.8%、23.8%、21.7%伸びている。

    (4)質の高い発展により新たな成果を得ている。第1に産業構造の最適化が続き、需要構造が絶えず改善された。第2に新たな成長力が育ち続けた。上半期の一定規模〈年間売上高2,000万元〉以上のハイテク製造業の付加価値額は2年平均で13.2%伸び、実物商品のネット小売額は2年平均で16.5%伸び、デジタル経済と実体経済の融合が絶えず進んだ。

    国際/国内市場の循環、グリーン発展

    世界銀行は先ごろ、2021年の中国の経済成長率予測を8.5%に上方修正し、消費と投資が引き続き中国の成長のエンジンになるとの見方を示した。

    より深く見ると、「14・5」計画スタートの年、中国は改革開放というカギをしっかりつかみ、創造的にパイオニアとして改革を深く掘り下げて押し進め、体制・仕組み面での障碍の除去に力を入れている。そして、国内・国際のダブル循環(双循環)が相互に促進する新しい発展の枠組み構築のために力強いサポートを提供し、質の高い発展に強大な原動力を与えていることは、日本を含む各国の対中協力拡大のために新たなチャンスをもたらしている。

    中国は改革の深化により全面的で調和のとれた発展を促進し、国内の巨大な需要を絶えず生み出し、国内の巨大市場の形成を加速する。「ともに豊かになる」(共同富裕)ことを掲げ、中間所得層の拡大を含めた、中間が大きく両端が小さいラグビーボール形の分配構造を形成する。中部地区の質の高い発展を図り、郷・村の振興を全面的に推し進め、独占に強く反対し、資本の無秩序な拡張を防ぐ。これらにより、異なる地域、業種、企業間の発展が一層秩序ある、調和のとれたものとする。

    次に改革の深化により全面的なグリーン経済への転換を加速しており、グリーン・低炭素の循環型経済が新たな投資対象となる。中国はいまグリーン・低炭素・循環型の経済体系を構築し、整えつつある。2030年までに炭素排出をピークアウトさせる行動プランを策定し、より大きい改革の度合いで、グリーン発展(緑色発展)を新たな段階に押し上げている。

    さらに改革の深化により経済の循環をスムーズなものとし、投資・ビジネス環境の改善を加速させている。今年に入って、一連の重量級の改革措置が着実に進められている。1月、共産党中央弁公庁、国務院弁公庁が「高基準の市場システム構築に関する行動計画」を公表し、今後5年で高基準の市場システムを構築する計画の「作戦図」を描いたことにより、生産要素配分の市場化と商品・サービスの流通を妨げる体制・メカニズム上の障碍の除去を速めている。市場参入許可のネガティブリストを全面的に実施し、知的財産権保護を加速し、公平な競争制度を充実させ、生産要素の自由な移動を加速させるための基礎を築く。

    ネガティブリスト項目削減、自由貿易試験区拡大

    同時にまた、改革でより高い水準の対外開放を促進し、外国企業の対中貿易・投資のためのより大きな空間を開いた。開放分野を絶えず拡大し、市場参入を一段と緩和しており、全国版の外資参入ネガティブリストの制限措置を93項目から33項目に減らし、自動車、金融、証券各業界の外資出資比率規制を緩和し、サービス業の開放拡大の総合実験・デモを推進した。率先してRCEP(地域的な包括的経済連携協定)を批准し、実施の推進を加速した。積極的に開放の新たな高地、新たなプラットフォームをつくり、21の自由貿易試験区設置を推進し、高水準の海南自由貿易港を建設し、国レベルの経済開発区の革新・レベルアップを推し進め、輸入博覧会、広州交易会、サービス貿易交易会、消費財博覧会、投資商談会などの大型見本市を全力で開催した。制度型開放を急ぎ、越境ECなど貿易の新業態・新モデルに即応した体制・仕組みをつくり整えた。国際ルールに合わせ、貿易・投資の自由化・円滑化を図った。

    上半期、中国の外資利用実績は前年同期比28.7%増の6,078億4,000万元だった。在中国EU商工会議所の調査によると、対象企業の60%が今年中国事業の規模を拡大することを予定している。米国の非営利組織である米中貿易全国委員会の調査によると、対象企業の7割近くが今後5年の中国市場について楽観的な見通しをもっている。

    今年は中国共産党創立100周年にあたり、中国は予定通り小康社会(いくらかゆとりのある社会)の建設を全面的に完成させており、発展のための厚い基盤と条件をすでに備えている。一方、全世界の感染症はなお変化し続けており、外部環境はより複雑で厳しくなり、国内経済は回復基調にあるものの、依然として定着せず均衡がとれていない。中国は上半期の好調を基礎に、引き続き安定のなかで前進を図るという全般的活動基調を堅持し、新たな発展理念を完全、正確かつ全面的に貫き、供給サイドの構造改革を深め、新たな発展の枠組み構築を急ぎ、質の高い発展を図っていく。歴史の新しいスタート地点に立つとき、中国の質の高い発展の見通しは一層明るくなるとみられる。

    九州の対中輸出、7カ月連続で増加

    中国と日本の協力についていえば、中国経済が安定しつつ上向きとなり、改革開放の度合いが絶えず大きくなっていることは、日本に重要なチャンスをもたらし続けている。中国側データによると、上半期の中日間の輸出入総額は前年同期比14.5%増の1兆1,800億元に達した。日本の財務省のデータによると、上半期の対中輸出は昨年同期比27%増と大きく増え、8.6兆円を超え、初めて8兆円の大台を突破、対米、対EUの7兆1,000億円、3兆8,000億円をはるかに超えた。なかでも自動車の対中輸出はとくに目を引き、半導体、プラスチックなどの部品、材料の輸出は上位で推移しており、年間の対中輸出は新記録となる見通しだ。

    中国は九州地区の最大の貿易パートナーであり、九州の対中輸出は今年1月から7月まで7カ月連続して前年同月比で大幅な伸びを維持しており、なかでも6月は(前年同月比)17.6%増、自動車製品は(同)28.5%増となり、中国と九州の経済・貿易分野の協力の強大なじん性と巨大な潜在力を再びはっきりと示した。

    未来に目を転じれば、九州は地理、文化など伝統面および産業面での優位性を基に、対中協力関係は一層密接になり、日本の対中協力においてより大きな役割をはたすことが見込まれる。九州は具体的に次の4つのチャンスと3つのプラットフォームを利用できる。

    中国市場およびその先の欧州市場

    (1)中国市場のチャンス

    中国のGDPは2020年に15兆米ドルを越えており、35年にまた倍増する見通しで、4億を超える中間所得層も同じく35年には倍増することが見込まれる。より大規模な国内市場とより強い国内需要は日本を含む世界各国により大きい市場を提供していく。

    (2)グリーンで質の高い発展のチャンス

    中国は新たな発展理念を貫き、イノベーション発展、グリーン発展および高品質な発展を進めている。九州地区は日本の環境ガバナンスのパイオニアで、環境ガバナンスと持続可能な開発においては豊富な経験をもっている。また、最先端科学と製造分野でも突出していて、水素エネルギー、環境保護、半導体、医療、AIロボット、自動車等の分野は世界の最前線にある。九州経済界は、関連分野で中国と協力し、お互いに学び合い、ともに前進することができる。

    (3)「中欧班列」のチャンス

    「一帯一路」の重要な成果である「中欧班列」は、日韓などアジア太平洋地域に向けられ、EUとユーラシア大陸を結び、運輸コストは空輸よりはるかに低く、所要時間は海運よりはるかに短い、新型コロナウイルス感染のなかで「命のルート」「運命のきずな」と呼ばれる。今年の上半期は前年同期比43%増の計7,323本が運転され、合計1,232万点、9.6万トンの防疫物資が輸送されるなど、国際産業チェーン・サプライチェーンの安定と国際的感染症対策協力の支援で引き続き重要な役割をはたした。

    二国間、多国間協力のプラットフォーム

    (1)RCEPのプラットフォーム

中日韓3国間の産業チェーン、サプライチェーン、バリューチェーンはますます密接になっている。来年のRCEP発効により、地域の主要経済体である3国の間に初めて自由貿易協定が締結され、ASEAN10カ国と連携して統一された大市場を形成していく。中国との協力を通じて、九州経済界は東アジア一体化のプロセスのなかでよりうまくチャンスをつかむことができるだろう。

    (2)中日地方協力発展モデル区のプラットフォーム

昨年、中国は大連市、青島市を含む6市における中日地方発展モデル区の設立を承認した。これは中日地方協力促進の重要な措置で、九州地区の対中協力に新しいチャンスをもたらした。今年5月、中国駐福岡総領事館は大連市政府と共同で中国大連・日本九州協力セミナーおよび「中日(大連)地方発展協力モデル区」説明会を開催した。10月には青島市と共同で同様のイベントを開催する予定で、引き続き九州経済界と中国の関係地方とのマッチングおよび協力をサポートしていく。

    (3)中国の地方の自由貿易試験区のプラットフォーム

2019年、中国は山東、江蘇、広西など6省・自治区に自由貿易試験区を設立し、対外開放をさらに拡大した。山東省、江蘇省、広西チワン族自治区はそれぞれ山口県、福岡県、熊本県と友好姉妹関係を結んでいる。現在、海南自由貿易港も建設のピークを迎えている。これらは九州地区と中国の経済貿易協力に独特の優位性と新たなチャンスをもたらしている。

   (4)国際コンベンションのプラットフォーム

    海南省で開催される中国国際消費財博覧会は消費分野の名品をテーマにした中国初の国家レベルの見本市であり、5月の第1回博覧会は約1,300社の海外ブランドが集まり、1,200社の国内ブランドが出展した。

    北京で開催される中国国際サービス貿易交易会は世界のサービス貿易分野における最大規模の総合展示会で、今年は9月に開催される。

    上海で開催される中国国際輸入博覧会は輸入をテーマとする世界初の大規模な国家レベルの展示会で、11月に4回目の開催を迎える。現在出展契約をしたフォーチュン・グローバル500と業界のリーディングカンパニーの数は前回を上回り、リピート率は80%を超えている。

    広州で開催される中国輸出入商品交易会(広州交易会)は最も歴史が長く、「中国第一展」とも呼ばれる。厦門で開催の中国国際投資貿易商談会は双方向投資の促進を目的とした国際投資促進イベントである。

    これらの国際コンベンションには毎年、全世界から大勢の企業が参加し、各国企業にとっては中国市場開拓および対中協力促進の重要なプラットフォームとなっている。九州地区の企業が積極的に参加し、対中協力のチャンスを模索することを歓迎している。

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